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問題が多すぎる




仕事の休憩前、Iさん(九十八歳)が車椅子に乗ったままウトウトしていたので、僕が「Iさんちょっとベッドに横にしてあげようか。休憩入る前に僕が臥床やるよ」と云うと、職員の濱野さん(男性・四十代)は「分かりました! じゃあIさんの部屋をシーツ交換しちゃいますね!」と答えた。シーツ交換(掃除込み)は五~十分ほどかかり、室内の換気に十分かかるとして、これでIさんは二十分は横になれなくなる。
このような感じで、少なくとも僕の周りの介護士はバカばっかりだ。仕事が「出来る/出来ない」の問題ではなく根本的に頭が悪いのだ。介護部長の小河さんからは(先般の精神病院入院以降)「何かあったら相談するように」と云われているが、まさか「職員がみんなバカなんです」と相談する訳にもいかない。なので僕はバカに囲まれながら独り苛々している。
神様が酔っ払いながら作ったような、かなり純度の高いバカ人間の集いなので、僕がサービス労働をして尻拭いをするハメになる。このうえ介護福祉士の勉強をしろと云われているのだからあまりに無茶だ。職員全員の子守(全員年上)をしながら勉強? いくらなんでも出鱈目過ぎるだろう。


目下、こんな状態なので精神疾患は悪化の一途をたどっている。ここ数日は何も書けなくなった。トム・ジョーンズは小説の中で「鬱病の発作」という表現を用いている。この話を精神科医にしたところ、鬱病に発作はないと云われた。しかし鬱病に罹患している者は知っている。医学事典に載っていなくても「鬱病の発作」的症状はある。あるいはそれは鬱病ではなく別の精神病なのかも知れないが。いま不眠症のせいで二十時間くらい寝てない状態でこれを書いているのだがちゃんと日本語になっているだろうか? 酒を呑んでも薬を服んでも眠れないって辛いんだぜ。頭がふらふらする。このあと昼から仕事だし。


お察しの通り、もう禁酒は台無しになった。むしろ以前より悪化した。朝八時から日本酒を呑むようになってしまった。
問題が多すぎる。
[ 2015/07/19 08:13 ] 身辺のこととか | TB(0) | CM(0)

僕の「言葉と暴力」




「僕は夢を見ることを忘れた小鳥なのです」と云ってホーホケキョと鳴いた。院長が露骨に厭そうな貌をした。精神科でのこういう振る舞いは我ながらお勧めできない。
こんな人間が過去に対人恐怖症を患っていたなど云っても誰も信じてはくれまい。いや、先般のキャバクラでのアルバイトで久しぶりに「生きてるらしい」人間を相手にした時、異様な緊張感を覚えたので未だ完治してはいないのだと思う。僕がふだん相手にしているのは、認知症老人か、寝たきりの老人か、死体だ。「看取り」の施設なので死体を相手にすることもあるのである。死体運びとかね。運悪く職場でそこそこの地位にいるので、そういう汚れ仕事の中でも最悪に近い汚れ仕事もさせられるのである。こういうことやってるから精神疾患なのか、精神疾患だからこういう仕事しかできないのか、今では分からなくなってしまった。


僕は職場へ出勤する前にコンビニへ寄ってサンドイッチとコーヒー、それから煙草のハイライトを買う。休憩中の食事用だ。もう三年も懇意にしているので店員の方でも僕の顔を覚えている。
先般、普段通りそのコンビニに寄ったところ気狂い男がいた。店員に向かって「お、お、お、おれを舐めるなよ、お、おっ」と絶叫しながら不審な挙動を繰り広げていた。僕はあまりの光景に呆気にとられて殴るのも忘れていた。いずれにしろ勤務前だから殴れないが。勤務後で酒が入っていたらおぞましいことになっていたろうと思う。
対人恐怖症だった僕が平気で暴力を振るうようになったのは何が契機だったろう。僕は中学・高校時代に「コミュニケーション」だの「言語学」だの「意思の伝達」だのといったテーマの文学書や哲学書を読み漁った。
なぜ自分の話は相手に通じないのか。その疑問が僕の精神を貫いていた。たぶん余人には理解し辛い話だと思うが、僕にとっては喫緊の問題だった。僕には生来の発達障害の性質があり、昔から舌足らずで口下手で鈍くさかった。要するに日本人の癖に日本語が下手という事だ。


日本語しゃべれねえなら死ね
本当に幼少期からこういう気分だった。世間から脅迫されている気がした。


誰にも自分の話を理解させることが出来ないという事は、死ぬほど孤独と云う事だ。僕が文学に「ハマった」理由はこの辺にある。それから十年たった。十年間、コツコツと研鑽を重ねた訳だ。結果どうなったか? いまではもう二十七歳だし、孤独には慣れているし、自分の言葉を相手に理解させることは諦めた。言葉は無力だ。その結果の「暴力」だった。どうせ何を云っても無駄、そういう確信があった。鬱病者は少なからず暴力的である。それが僕の暴力性に拍車をかける。云っても分からない奴は殴って解決! それが僕のソリューションだった。


ふざけんな!
すぐ物に当たりたくなるタイプ。直情的というかなんというか……


僕は普段から訳の分からない事をしていると友人・同僚から云われる。しかし上記のような筋道を辿ると、意外と道理は通っているのである(少なくとも僕の中では)。
まあ、これも理解してはもらえないだろうが。
でも言語性の発達障碍者でも、十年くらい本を読み続ければこの程度の文章は書けるという事だ。人生、やはり何事も努力だね。
[ 2015/07/03 10:14 ] 身辺のこととか | TB(0) | CM(0)
一族の恥晒し

ヤスタカ

Author:ヤスタカ
1987(昭和62)年生れ。東京都練馬区在住。介護業務に従事する傍ら、脳細胞が腐敗するような愚文を執筆。現在は脳のリハビリ中。最近、何故か介護福祉士になった。この国は亡ぶ。

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